【明日香村へ】明日香村通信 2019秋号

この秋は、明日香村で紅葉狩りハイキングを楽しみませんか。
飛鳥人が愛した風景を、いま、時代を超えてめぐり歩く。なんて、ロマンチック!

美しい景観と紅葉にときめいて、古代の息吹にふれる。しかも神秘的でロマンチック! そんな欲ばりなハイキングコースがあるのも、明日香村の魅力です。今回は、ご夫婦やお仲間と美景+歴史+古道歩きの3つを一度に楽しめる「明日香村ハイキングコース(中級)」をご紹介します。

スタートは石舞台古墳(いしぶたいこふん)。歴史ロマンに思いを馳せ、冬野川沿いを歩きます。最初の休憩は、気都和既(きつわき)神社で。そして、このコースのメインポイント、談山(たんざん)神社へ。まぶしいほどの紅葉にうっとりしたら、万葉展望台へと古道歩き。標高約470mからの大和三山(やまとさんざん)の壮観を思い出に、石舞台古墳へと戻るコースです。

明日香村のアーティスト
日本画家 烏頭尾 精(うとお せい)さん

岡寺門前町で育つ美への感性

 江戸時代の国学者・本居宣長(もとおりのりなが)が、そのにぎわいぶりに驚いたという岡寺の門前町で生まれ育ちました。珍しい姓のルーツは、飛鳥川上流の稲渕にあるそうです。祖父の代から呉服商を営む父によく連れられて行った京都で、雅やかな反物の世界に触れた幼児体験が、色の美的感覚を育むきっかけになりました。
 飛鳥京の地から藤原京があった橿原(かしはら)市内の中高に通い、平安の都・京都の大学へ、卒業後は平城京の奈良で教職に就き…と王城の地を巡る、なかなか幸せな人生です。古都の風景の中に身を置いていると、あぁここがまほろばの空間だなと心に沁みるし、やすらぎ感に満ちてくる。この都ぶりの魅力を絵画に映して伝えたいとの思いで一貫しています。

明日香の風が運ぶ創作意欲

 とはいえ、卒業制作や初期作品は鶏がテーマ。10年ほど主に軍鶏(しゃも)を描きました。それが地を這う鶏から空を羽ばたく鳥─すなわち明日香の枕詞・飛ぶ鳥になり、さらに飛鳥の景へと結びついたのです。
 ライフワークである古都逍遙(しょうよう)シリーズを手がけていて実感するのは、都の原型は飛鳥にあり、いずれも東に豊かな山があること。私は実景の把握から出発、自分の思いを投影し、不要なものを削っていく表現法です。自然の造形や風景の広がりに潜み、からみ合う、壮大で濃密な歴史物語を感じながら向き合っています。
 今年は「藤原京」ですが2年後、「飛鳥京」に“還る”予定です。もっと割り切って色・形を研磨し、象徴化した飛鳥の景に取り組みたいですね。

 

「明日香風」(1998年)

志貴皇子(しきのみこ)の有名な万葉歌をモチーフに描いた習作。大型の完成作品は奈良県立万葉文化館所蔵。
   
「森の景」(2019年)

「第45回春季創画展2019」に出品した新作。多武峰・談山神社のふもとにある丘で、一帯は藤原鎌足ゆかりの地。

 

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