シニア世代のより良い暮らし
「健康長寿のための食のこれからの常識」

老化を遅らせるための心得、特に食生活について東京都健康長寿医療センター研究所の熊谷修先生にお話をうかがいました。

シニア世代に重要なのは
老化を遅らせる対策

 何年か前まで、シニア世代の健康には生活習慣病対策を、というのが一般的でした。もちろん生活習慣病対策は必要ですが、より重要なのは老化を遅らせるための対策。老化が早い人ほどガンや心臓病にかかりやすいことが、データからもわかっています。
 老化を遅らせる体づくりとして、筋力と持久力をつけることが重要です。ひとつの目安をご紹介しましょう。20分間休むことなく歩き続けてみる。これは筋力と持続力の「老化度」をチェックする方法です。筋力は高齢になっても鍛えることが可能ですし、それは老化を遅らせることに役立ち、血圧が下がったという例もあります。
 そして筋力を鍛えることの前提となるのが健康な体であること。その鍵を握るのは食生活です。

良質のタンパク質をとる
バランスのよい食生活

 最近、耳にする言葉に「新型栄養失調」があります。本人は十分に食べているつもりなのに、栄養失調に陥っている状態を表わす言葉です。例えば、タンパク質が不足すると、行動意欲が薄れて活動量が低下し、筋力が衰えて転びやすくなったり、歩く速度が遅くなったりします。
 そうならないためには、これまで食の常識だと思っていたことを見直す必要があります。コレステロールが心配だから卵を食べないとか、太り気味だから肉を控えるというのも、いきすぎると偏った食事になってしまいます。良質のタンパク質をとるためには肉食が欠かせません。そして大切なのはバランスよく食べること。
 下図にまとめた10食品群を毎日とって、老化を遅らせる体づくりに取り組みましょう。

老化を遅らせる
食生活の指針

老化を遅らせるために日頃の食生活でどんなことを心がければ良いのかをまとめてみました。

欠食を避ける

栄養不足や水分不足にならないよう三度の食事をしっかりとりましょう。食欲がなくても具だくさんのスープを食べるなど、必ず食事をとるよう心がけましょう。

動物性タンパク質を十分にとる

タンパク質は私たちの体の約20%を占める大切な構成要素。細胞の代謝や再生、免疫など、多くの機能にかかわっています。肉や乳製品といった動物性タンパク質には、老化を遅らせ、筋力を維持する効果があります。

魚と肉の割合は1対1くらいに

魚の油脂にはLDLコレステロールを抑える働きがあり、肉などに含まれる動物性油脂も欠かせない栄養素です。偏ることなく、1対1の割合で取り入れましょう。

油脂類が不足しないように気をつける

コレステロールが不足すると、抑うつ傾向に陥ったり知的活動や社会的活動が低下するという報告があります。植物油だけでなく、肉や乳製品に含まれる動物性の脂肪もしっかりとりたいものです。

牛乳を毎日200㎖程度とる

牛乳には、情緒を安定させ、ストレス耐性を上げ、認知機能の低下を防ぐような成分が含まれています。牛乳が苦手という人はヨーグルトやチーズをとるようにしましょう。

自分で食品を購入して、食事を準備する

献立を考える、買い物をして料理するというのは、高度な知的活動です。自分で食事をつくることも健康長寿につながります。

 

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