特集~しつらえる~
「自然の息吹を取り入れて 夏座敷を演出」

 徒然草に「家のつくりやうは、夏をむねとすべし」と書いたのは兼好法師。今はマンションの室内はエアコンで適度に冷やされ、暑さで寝苦しい夜を過ごすことも少なくなりました。それでも人工的に冷やされた空間は味気ないもの。夏ほど「和」の演出が似合う季節はありません。涼やかに、凛として、そして快適に日本の夏を楽しみましょう。
 まず取り入れたいのが天然素材の置き畳。90cm四方の畳を4枚敷くと子どもたちがごろんとできるお昼寝スペースになります。お昼寝をじゃましないよう、窓辺には日差しをさえぎる風炉先屏風を置き、蚊取り線香を添えることも忘れずに。子どもたちに団扇でゆっくり風を送りながらのんびりとした時間が流れます。ちょっと眠くなったら子どもといっしょにごろりと横になっても。
 さらに、壁面も夏のしつらえをつくっていきましょう。壁にかけたフレームには江戸切子文様のてぬぐいを入れ、小窓には簾をかけて小さな風鈴や一輪挿しの花をさりげなく飾りました。
 簾は強い日差しを優しくしてくれるだけでなく、その透け感で直接的な外の景色をどこかなつかしい印象に変えてくれます。

「主寝室にも和の装いを」

 寝室の壁面に藍染の和服に合わせてつくった帯をアクセントとしてアレンジしました。日本的な藍色の菱文様(ひしもんよう)が平坦な壁面をモダンな雰囲気に変えています。また、寝室に掛け香を置くと、気持ちを穏やかにする和の香りに包まれながら、ゆったり昼間の疲れをとることができるでしょう。ベッドサイドには団扇もお忘れなく。エアコンの温度はゆるめにして、団扇であおぐのも風情があります。

 「和」の雰囲気を気軽に取り入れるためにおすすめしたいのが浴衣の反物を利用すること。
 例えば、リビングのカウチソファやオットマンに、あるいはベッドカバーの上のベッドスロー代わりに乗せるなど。最近の浴衣地は彩りが華やかなものが多く見られますが、できれば伝統的な藍と白の古典柄(竹、牡丹、花火、朝顔)がおすすめです。

 

和服の収納

大切な和服を正しく収納

成人式の振袖からはじまりご両親にあつらえていただいた大切な和服。普段は身に着ける機会が少なく、急に必要になったとき思わぬ染みを発見したり、カビに気付いて慌てたことはありませんか。そんなことがないように今号では大切な和服の収納についてご紹介します。和服の保管には桐箪笥が最適だと言われていますが、スペース上、置くことが難しいマンションの場合、どのように保管すればよいのでしょうか。

Point!

① 虫から守る
② 湿気から守る
③ シワや型くずれから守る
④ 金糸・銀糸、刺繍など繊細な装飾を守る

まず正しくしまう

  1. 着物・浴衣・羽織など着用後は必ず専用のハンガーにかけて半日から1日、風通しのよいところで陰干しします。雨天の場合は窓を閉めてから干しましょう。その後ハンガーにかけたまま柔らかい毛のブラシでホコリを払います。

  2. 着物と帯は正しくたたみましょう。不要な折り目を入れないように折り目正しくたたみます。その後、必ずたとう紙に包んでからしまいましょう。金糸・銀糸・刺繍など繊細な加工が施されている部分には薄紙を当てて保護すると安心です。

しまう場所は

洋服ダンスやプラスチックケースなどでも保管できます。ただし、湿気がこもらないように、晴れた日や乾燥している日を選んで扉やフタを少し開けておきましょう。また、クローゼットに収容できる桐の引き出し箪笥やキャスター付きの衣装箱もあります。

防虫剤は

和服には、絹、ウール、木綿、麻、化繊など様々な素材のものがあります。絹の着物はほとんど虫にやられることはありませんが、ウールは虫の被害にあいやすい素材です。防虫剤は自然由来の匂いのきつくないものを一種類にしぼってお使いください。

しまうときの分類は

帯をたくさんお持ちの場合は、素材ごとにまとめておくとコーディネートする際に便利です。また、そうすることで素材ごとに防虫剤の量を加減できたり、湿気の発散を同じタイミングで行うことができます。また、湿気は下にたまりやすいので上段に品質のよいものを入れておくとよいでしょう。

小物の収納は

和装には帯揚げや帯留、扇子などといった小物がたくさんあります。防虫効果に優れたつづらを利用するときちんとまとまり、探す手間が省けます。

 

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